みなさん、こんにちは!
そこにかければ一緒に笑ってくれる、そんな笑いの電話があるのをご存知ですか?
ドイツでは「Lachtelefon(ラッハテレフォン:ドイツ語)」と呼ばれています。
日本では「わらいの電話」という名前で運営しているのですが、今回はこの活動の先駆者で豊富なドイツの方々にインタビューをさせていただきました。
インタビューをしたのは先月の7月19日。ドイツ・フランクフルトを訪ねた際に、このプロジェクトの立ち上げメンバー5人のうちの2人、Sandra(サンドラ・代表)とLena(レナ)にインタビューする機会に恵まれ、その誕生秘話、裏話を聞くことができました。
※英語だとLaughter Phone(ラフターフォン)という表記になります。今回の記事では、以下はラフターフォンという言葉で統一しました。
本当のはじまり
全ては2019年8月17日に遡ります。はじめはドイツのラフターヨギ(ラフターヨガの愛好家)たちの「どうすれば日々の生活にもっと笑いを取り入れられるだろう」というシンプルな疑問から始まったそうです。より人生に笑いを増やすために何ができるかをみんなで語り合っていたのです。
そんな中で生まれたのが、電話を通じて笑い合える仕組みを作ろうというアイデアでした。しかし、理想を現実にするのは、簡単ではありませんでした。Lachtelefon(ラッハテレフォン)代表のSandraは様々な会社にアプローチしましたが、適切なシステムを提供できる会社がなかなか見つからず、7ヶ月もの間、苦戦を強いられたそうです。
諦めない心
「正直、何度も諦めようと思いました」とSandraは率直に語ってくれました。しかし、ここで重要な存在として浮かび上がったのが、同じく立ち上げメンバーの一人であるLena。
Lenaは何度もSandraに「ラフターフォンはどうなった?」と声をかけ続けたそうです。この粘り強いサポートがあったからこそ、Sandraは諦めずにプロジェクトを続けることができたそうです。
一人でできることには限りがありますよね。チームの力、特にLenaの存在の大きさを知れたのは、今回のインタビューの大きな収穫でした!
(一番左:Sandra 左から二番目:Lena )
アイデアの実現
苦労の末、Sandraはついに、連邦バーンアウト・うつ病協会の助けを借りて、ついに適切なシステム会社と出会うことができました。アイデアが生まれてから約7ヶ月後の2020年3月23日、ようやくラフターフォンがスタートを切ったのです。
実は、日本でも同時期に同様のサービスを始めようと試みました。ドイツの動きを知らない中で、同じ時期に今のわらいの電話の原型となる活動「テレフォン・ラッフィング」をはじめていたのですが、技術的な課題に直面しました。
結局3年後、2023年に日本でも適切な企業との出会いがあって、初めて今の仕組みを実現できたのですが、ドイツチームとの出会いは本当に大きかったです。
※日本のわらいの電話がスタートするまでの物語の詳細は、こちらよりーとリンクを貼りたかったのですが、まだ途中なので、後々アップします!!
影の立役者
今回のインタビューで、Lenaにも話を聞くことができました。彼女の視点は、単なる友人のサポート以上のものでした。作業療法士としての専門知識と、人とのつながりに対する深い洞察が、このプロジェクトの成功に大きく貢献していたのです。
Lenaは、Sandraを励ました理由をこう語ってくれました。
「私はただ『Sandra、あきらめないで』と言い続けました。
モチベーションを与え、技術的な問題や可能性について一緒に考えました。」
この言葉には、単なる励まし以上の意味があります。Lenaは作業療法士としての専門知識を活かし、実践的なサポートを提供していたのです。
つながりの重要性
Lenaの話の中で最も印象的だったのは、人とのつながりに対する強い思いでした。
「私の動機は、つながることです。一緒に何かをすること、接触を保ち続けること、そして孤独を感じさせないことです。」
この理念は、ラフターフォンプロジェクトの核心そのものではないでしょうか。電話を通じて人々をつなげ、笑いを共有するという発想は、チームメンバーのあり方そのものでした。
さらに、Lenaはラフターヨガと電話を組み合わせることの革新性についても熱心に語ってくれました。
「ラフターヨガは素晴らしいですが、電話を通じて笑うことができれば、さらに多くの人々をサポートできます。特に、身体的な制約のある人々にとって、これは大きな助けになるでしょう。」
コミュニティの力
ラフターフォンを通じて形成されるコミュニティの重要性も、Lenaは強調していました。毎月の全体ミーティング、毎週土曜午前の定例ミーティングでは、メンバーがお客さんからの感動的な声や、どういう電話対応がいいかを共有し合うそうです。 「1ヶ月ぶりに笑顔になったという話や、人生について心を開いてくれた経験など、私たちはお互いに素晴らしい経験をたくさん共有しています。」
クリスマスにはZoomでチーム全体が集まってお祝いをするなど、ドイツのLaughter Phoneは、単なるサービス提供ではなく、より深いつながりを生み出すプラットフォームとなっている。そんなふうに感じました。
Sandraのマネジメント力
そしてなにより、Silke(シルケ)、Heidelore(ハイデロア)、Kerstin(ケスティン)と共にこのすばらしいチームを率いるサンドラの存在。彼女のあり方、マネジメント力は見事でした。ドイツ人は組織化やマネジメントが得意なのかもしれませんが、それにしても皆さんの様子が見事な活動っぷりなのです。
「そ、そ、組織図ここまでキッチリあるの?!」
「プロジェクトチームこんなにあるんや!」
「え、そんなにミーティングしてるん?!」
素晴らしい情熱、エネルギーが循環していました。日本チームの素晴らしさ、良い点もたくさん評価してくれていて心強かったですが、やっぱりセンパイの姿から学ぶことは多いです。Sandraのあり方を見て、日本チーム代表である僕も見習わないとと感じることばかりでした。
本当に彼女のリーダーシップ、バランス感、純粋さ、サポート力、尊敬することばかりです!
笑いがつなぐ未来
最後になりますが、今回、SandraやLena、他のドイツ人メンバーとの対話を通じて、わらいの電話の活動のより深い意義が見えてきました。
これは単なる「笑う」ための電話サービスではなく、人々をつなぎ、孤独を解消し、生活の質を向上させるための包括的なアプローチになる。その可能性がグッと深まりました。
特に、作業療法士としてのLenaの視点は、ラフターフォンの可能性をさらに広げてくれました。身体的な制約のある方々にとって、このプラットフォーム、コミュニティが持つ意味は計り知れません。
最後に、Lenaの言葉を借りれば、「一緒に何かをすること」の重要性も再度言及しておきたいと思います。
正直に言えば、僕自身、コミュニティ運営が得意かと言われると、あまり得意ではありません(笑)だからこそ、力を貸してほしい。強がることなく、正直にそう言ってしまおうと思いました。
(一緒にやってくれる皆さんの存在、本当に心強いです!!)
今日はドイツの様子を紹介する記事でしたが、日本でもわらいの電話をより良いものにできるようコツコツ活動し続けています。嬉しい声もどんどん届いていますし、最近は学生インターンのメンバーも増えて、新しい風も吹きはじめています。
ドイツのチームのあり方は本当に参考になることばかりで、今回のドイツ滞在は気づきの連続でした。これからますます連携を深めながら、さらに日本の良さも出していって、お互いに輝かせあっていけたらと思います!
わらいの電話 案内
わらいの電話、まだかけたことがない方はぜひおかけくださいね♫
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電話番号:050-3154-0892(サイコーよ お役に立てれば)
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